「学力=才能×努力×作戦」

受験で勝つために必要な“第三の要素”とは

· 塾長の指導観・雑感

宇都宮市英語専門進学塾EX 塾長のブログ

「才能×努力」神話を超えて
「学力=才能×努力」。この式は、昔から教育界隈で当たり前のように使われてきました。たしかに、才能と努力が揃えば伸びる――誰もがそう信じたいはずです。

しかし、塾長として日々生徒を見ていると、それだけでは説明できない現象が山ほどあることに気づきます。実は「作戦」、つまり戦略的な計画力が、学力を大きく左右しているのです。

受験という「時間制限ゲーム」の真実
受験には明確なタイムリミットがあります。

たとえば「3年でこの学校に合格する」と決めた瞬間から、逆算で「いつまでに」「どのレベルまで」到達しなければならないかがシビアに問われます。

才能や努力はもちろん重要ですが、無計画な努力は「ただの徒労」になりがちです。実際、塾でも「必死で頑張っているのに伸びない」という子どもや親御さんの相談は後を絶ちません。

作戦なき努力の“空回り”とは何か
例えば、英単語帳を頭から何度もやり直す生徒、苦手分野は「あとでやる」とどんどん先送りにする生徒、模試の結果を見て「とりあえず勉強時間を増やす」ことで安心しようとする生徒……。

彼らは一生懸命ですが、現実には「計画」「作戦」という観点が抜け落ちています。

努力量は十分でも、質と優先順位が曖昧なままでは、伸び悩みは避けられません。

計画力とは「自己認知」+「修正力」
計画力とは、今の自分の位置・強み・弱み・使える時間などを冷静に把握し、どこにエネルギーを配分するか決める能力です。

たとえ最初の計画が上手くいかなくても、「計画→実行→振り返り→修正」を繰り返すことで、学び方自体がどんどん洗練されていきます。

このサイクルを自分で回せるようになった生徒ほど、短期間で大きな成長を見せるのです。

実例1:計画力の差が生んだ劇的変化
実際に、英語だけ勉強して数学は「あとで」と逃げていた高校生が、週単位で「今週の最優先課題は何か」を一緒に考え、まず数学に時間を割く作戦に切り替えたことで、たった数カ月で模試の得点が上がり志望校に合格した例があります。

努力の総量は変わっていません。ただ、優先順位と作戦の設計を「見える化」しただけで、結果がここまで変わるのです。

実例2:苦手分野克服の裏にあった作戦
別のケースでは、英検2級を何度も不合格だった生徒が、「単語とリスニングは毎日だが、ライティングは試験直前のみ」という勉強パターンを続けていました。

これを計画的に「週2回は必ずライティング演習を入れる」「日曜は振り返りと復習に専念する」など具体的な計画に変えたことで、半年後にはスコアが一気に上がり、見事合格できました。

計画力を伸ばす家庭の関わり方
保護者の方は「勉強しなさい」ではなく「今週はどんな作戦?」「計画通りいかなかった部分はどこ?」と尋ねるだけで、お子さんの意識が大きく変わります。

たとえば、「うまくいかなかった原因は何?」「来週はどう直す?」と一緒に振り返る時間を持つと、子ども自身が「自分の学びを設計する」主体的な姿勢を身につけやすくなります。

「計画力」が苦手な子が増える理由
日本の教育は「指示されたことをやる」受動的な体験が長く、計画や作戦を自分で立てる訓練が圧倒的に不足しています。最初から完璧な計画を立てられなくても、「まずやってみて、振り返る」習慣が身につけば、計画力は確実に伸びていきます。

受験に限らず、人生の「戦略」を持つ意義
この「計画→実行→修正」の習慣は、受験や勉強だけの話ではありません。社会に出てからも、ビジネスや人生のあらゆる場面で「自分の現状を把握し、戦略を考え、失敗したら修正する」ことが強力な武器になります。努力や才能だけでなく、知恵と作戦を掛け合わせて成果を出す力を、今から磨いていく意義は計り知れません。

計画と作戦こそが、合格への決定打
才能や努力は重要ですが、それを最大限活かせるのは「作戦」と「計画力」です。

塾としても、子どもたちが自分で戦略を立て、努力が成果に直結する体験を積めるよう、全力で支援していきます。

ご家庭でも、ぜひ「計画・作戦」に目を向けた声かけを意識していただければ、努力が報われる瞬間が必ず訪れます。