一対一指導の盲点

孤独にさせない環境づくり

· 塾長の指導観・雑感

宇都宮市英語専門進学塾EX 塾長のブログ

「家庭教師や個別は競争心が育たない」「教えすぎで依存する」――よく耳にする指摘です。しかし本当にそうでしょうか。

私自身は、そこに隠れている本当の弱点は別のところにあると考えています。

よく、当塾はマンツーマン指導でないのでしょうか、と保護者の方から質問を受けたことがあります。

私が「マンツーマン指導は決定的な弱点がある」と切り出すと、保護者の方は不思議そうな顔をしてました。

私が続けてこのように説明しましました。

「生徒が、すべてを自分で受け止めなければならないことなんです」

1対1では、宿題も予習も、授業での集中も、全部自分の意思でこなさなければならない。

集団授業や当塾が採用している個別演習形式のように「友達・周りに来ている別の生徒がやっているから自分も頑張ろう」という後押しは働きません。

支え合う視線も、比較できる存在もなく、完全に孤独な学習になってしまうのです。

それを聞いた保護者の方はハッとしたように言いました。
「なるほど…やる気のない子にとっては、たった一人で勉強するのはむしろしんどい、と」

そうなのです。マンツーマン=安心、というイメージがありますが、裏を返せば「孤独の場」にもなり得る。

意欲が安定している子には効果的でも、まだ学習習慣が固まっていない子には重荷になることがあります。

では、どうすればよいのでしょうか。ここで力を発揮するのが当塾が採用している個別演習形式です。

指導者の目が届きつつ、同じ場に他の生徒が頑張っている姿を見ることで、子どもは自然に周囲から刺激を受けます。

隣で問題を解いている姿を見て、「自分もやらなきゃ」という気持ちが生まれる。孤独ではなく共鳴の中で学ぶからこそ、学習が続くのです。

家庭教師やマンツーマン個別が悪いという話ではありません。

ただし「万能ではない」ことは理解しておく必要があります。子どもにとって必要なのは、形式そのものよりも「一人で背負わせすぎない工夫」です。

保護者の方には、ぜひこの視点を持っていただきたいと思います。

マンツーマン個別指導を選ぶにしても、「孤独感にどう配慮しているか」を基準に考えること。それがお子さまの勉強の継続力を左右する大きなポイントになります。