英語の授業の様子を聞く機会があると、ある共通した特徴に気づきます。生徒に英語を音読させている場面が、驚くほど少ないのです。
教科書を開き、教員が説明し、板書を写し、問題を解く。そういう流れの中で、生徒自身の声で英文が読まれる時間は、ほとんど確保されていません。これは中学校、高校、そして残念ながら多くの塾にも共通する光景です。
「音読ぐらいさせているだろう」と思われる方も多いかもしれません。しかし実際には、宿題として自宅で音読するよう指示されるだけで、教室内で継続的に声に出す時間は取られていないケースがほとんどです。
宿題として出されても、監視の目がないところで真剣に音読を続けられる生徒は限られます。
一見些細に見えるこの現状が、実は英語学習における非常に大きな問題を生んでいます。
音読ができないということは、単に「声に出せない」という表面的な話ではありません。
それは、単語や文を音として認識できていないということを意味します。音として認識できていない語や文は、耳から入ってきても意味に変換されず、目で読んでも頭の中で音を伴わないため、処理速度が上がりません。すなわち「瞬間的な把握」ができない状態が続くのです。
この状態のまま英語を学ぼうとすると、様々な場面で見えないハンデを背負うことになります。
授業中に教員の説明を聞いていても、そこに出てくる語彙を音として認識できていなければ、説明そのものが頭に入りにくい。
テキストを読んでいても、一つひとつの単語を音として立ち上げられなければ、読み進めるスピードが上がらず、内容の把握に手間取ります。結果として、学習の効率そのものが大きく落ちてしまいます。
言語であるにもかかわらず、口にできない。この歪さに気づかないまま、多くの生徒が英語を「文字だけの科目」として学び続けている——これが今の英語学習の一つの現実です。
近年、「中学生の英語力が下がっている」という指摘を目にすることが増えました。
原因については様々な分析がなされていますが、私は原因の一つは意外と単純だと考えています。語学学習において本来最も大切なはずの活動——声に出す、音で認識する——が、日常の学習から抜け落ちてしまっているからではないでしょうか。他に英文法の軽視などの要因もありますが、、、
こうした状況の中で保護者の方にお願いしたいのは、お子さんが日々の英語学習の中で、実際に声に出して英語を読んでいる時間がどれくらいあるかを、一度確認していただきたいということです。文法問題を解く時間、単語を書いて覚える時間、宿題をこなす時間——それらのどこに、音読の時間が組み込まれているでしょうか。
もし音読の時間がほとんど確保されていないようであれば、それは学習方法を見直すべき時期かもしれません。基本の一つが抜け落ちたまま、その先の応用を積み重ねていくことは、思っている以上に難しいことなのです。
宇都宮市英語専門進学塾EX 塾長のブログ
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