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英検1級を取って18年。それでも大学受験英語を教えるのは難しいと思う理由

· 塾長の指導観・雑感

私が英検1級に合格してから、18年が経ちました。TOEICも985点(L/R各満点)も経験しています。

しかし正直に申し上げて、これらの資格を持っていることと、大学受験英語をきちんと教えられることとの間には、かなりの距離があると感じています。今回は、そのことについて書いてみたいと思います。

資格試験で高得点を取るために必要なのは、英語を運用する力です。読める、聞ける、書ける、話せる。この力があれば、資格は取れます。しかし、大学受験の指導で求められる能力は、それとはかなり性質の異なるものです。

たとえば、英文を読んで意味が分かるということと、その英文の構造を曖昧さなく切り分けて説明できることは、まったく別の作業です。

読める人は、無意識のうちに構造を処理しています。しかし生徒に教えるためには、その無意識の処理を意識のレベルまで引き上げ、どこが主語でどこが述語か、この節が何を修飾しているのかを、文法用語を用いて明示的に説明しなければなりません。感覚で読めることと、その読み方を他人が再現できる形で言語化することの間には、大きな隔たりがあります。

もう一つ、指導の現場でよく直面するのが、「その訳でも意味は通るけれど、入試では危ない」という場面です。生徒が出してきた和訳が、日本語としては成立している。内容もそれほど外れていない。

しかし、構文の把握が甘いために、設問で問われる箇所を正確に取れていない。このとき、なぜその訳では不十分なのかを、感覚ではなく理屈で説明できるかどうかが問われます。「なんとなく違う」では、生徒は納得しませんし、次に活かすこともできません。

さらに難しいのが、生徒の誤答を診断する作業です。ある生徒が問題を間違えたとき、その原因は一つではありません。単純に語彙が足りていないのか、文の構造を取り違えているのか、文と文のつながりを読み違えているのか。

原因が違えば、処方箋もまったく変わります。誤答という同じ結果から、その背後にある原因を正確に切り分ける。これは、英語ができるだけでは身につかない、指導者としての別の技術です。

加えて、入試問題を作った側の意図を読む力も必要になります。この選択肢は何を問うために置かれているのか。どういう思い込みを持った受験生が引っかかるように設計されているのか。出題の構造が見えていれば、生徒に伝えるべきポイントが変わってきます。

こうしたことを考えると、資格というのは指導者にとっての入口に過ぎない、というのが正直な実感です。もちろん、英語力そのものは必要です。土台のない指導はあり得ません。しかしそれは必要条件であって、十分条件ではないのです。

18年前に英検1級を取った時点では、こうしたことへの理解は今に比べて不十分でした。実際に生徒を前にして、思うように指導が行き届かない経験を何度も重ねる中で、どんどん改善されてきたことです。

そして今も、より正確に、より再現可能な形で指導するにはどうすればよいかを考え続けています。

英語を教えるという仕事は、思っているよりずっと奥が深いものだと感じています。

宇都宮市英語専門進学塾EX 塾長のブログ

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