入試シーズンが近づき、生徒たちが過去問や入試問題に取り組んでいます。
私は授業で文法問題を解説するとき、ときどき「これは何の単元からの出題か分かる?」と生徒に問いかけます。この発問に対する反応で、生徒の学力差が如実に表れます。
成績上位の生徒は「仮定法ですね」「分詞構文の問題です」とすぐに答えます。
一方、学力に課題のある生徒は、こちらが驚くほどそれを把握できていません。目の前の問題が文法のどの領域から出題されているのか、まったく見当がつかないのです。
この差は何を意味するのでしょうか。
問題を解くという行為には、必ず「分類」という作業が先行します。目の前の問題が何を問うているのか、どの知識を使えば解けるのかを判断する。
この最初の一歩が踏み出せなければ、いくら個別の文法知識を暗記していても、それを引き出すことができません。
道具箱にたくさんの工具を持っていても、どの工具を使うべきか分からなければ、作業は始められないのと同じです。
学力の低い生徒が抱える問題の本質は、知識の量ではありません。知識を「体系」として把握できているかどうかです。
関係代名詞、不定詞、分詞、仮定法といった文法項目が、頭の中で整理された棚に収まっているか。それとも、バラバラの断片として散らばっているか。この違いが、入試問題を前にしたときの対応力を決定的に分けます。
多くの生徒は中学・高校で英文法を学びます。しかし、学校の定期テストは「今習っている単元」から出題されます。不定詞を習っている期間のテストには不定詞の問題が出る。生徒は「今何を勉強しているか」を知っているので、分類という作業をせずに問題を解けてしまいます。
ここに落とし穴があります。定期テストでは点が取れるのに、模試や入試になると急に点が取れなくなる生徒がいます。その原因の一つが、この「分類力」の欠如です。範囲が限定されたテストでは顕在化しなかった弱点が、全範囲から出題される入試で一気に露呈するのです。
では、どうすればこの力を養えるのか。
まず必要なのは、英文法の全体像を俯瞰することです。個々の文法項目を学ぶだけでなく、それらがどのような体系を成しているのかを理解する。こうした構造的な理解があってこそ、未知の問題に出会ったときに「これは何の問題か」と判断できるようになります。
もう一つ重要なのは、「分類する」という行為を意識的に訓練することです。問題を解くとき、いきなり答えを出そうとするのではなく、まず「この問題は何を問うているか」を言語化する。この一手間が、長期的には大きな差を生みます。
保護者の皆様にお伝えしたいのは、お子様の英語学習を見るとき、「問題が解けたかどうか」だけでなく、「何の問題か説明できるか」という視点を持っていただきたいということです。
解けた問題について「これって何の文法?」と聞いてみてください。すらすら答えられるなら、知識が体系化されている証拠です。
答えられないなら、たとえ正解していても、それは偶然かもしれません。
入試本番では、誰も「これは仮定法の問題です」とは教えてくれません。自分で判断し、自分で引き出すしかない。その力を今のうちに養うことが、入試で結果を出すための土台になります。
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