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「没入」という見えない差

· 英語勉強法,塾長の指導観・雑感

「ちゃんと勉強しているのに、英語の成績が上がらない」
英語診断ドックでこうした相談を受けることがあります。

 

勉強時間は確保している。単語帳も回している。授業の復習もしている。なのに、模試の点数が思うように伸びない。このようなケースでは、勉強の「量」ではなく「質」に原因があることがほとんどです。
 

ただし、ここで言う「質」とは、使っている参考書のレベルや勉強法のテクニックのことではありません。もっと根本的な話です。
 

それは、英文に対する「没入の深さ」です。
 

同じ英文解釈の問題に取り組んでいても、生徒によって向き合い方はまったく異なります。

 

ある生徒は、構造が見えないと手を止め、あらゆる可能性を頭の中で検証し、「この読み方ではつじつまが合わない、ならこうか」と粘る。

 

別の生徒は、少し考えて分からなければすぐに解説を開き、「なるほど」と納得して次に進む。
 

外から見れば、どちらも「勉強している」ように見えます。しかし、脳の中で起きていることはまったく違います。
 

前者の生徒は、英文の中に深く入り込んでいます。言い換えれば、その英文に対して「情熱」を持っている。

 

何としても自力で読み解きたいという執着がある。この状態で考え抜いた末に構造が見えた瞬間、脳には強烈な印象が刻まれます。
 

一方、後者は英文の表面をなぞっているだけです。解説を読めばその場では理解できる。

 

しかし、自分で格闘していないぶん、記憶への定着が浅い。だから次に似た構文に出会ったとき、また同じところでつまずくのです。
 

この差を生んでいるのが、「感情」です。
 

難しい英文に挑んで歯が立たないとき、悔しさを感じる生徒がいます。

 

何度読んでも構造が掴めず、敗北感すら覚える。しかし、この感情こそが学びを深いものに変える原動力なのです。

 

悔しいからもう一度考える。別の角度から攻めてみる。

 

そして、ついに答えが見えたときの達成感は、解説を読んで「ああ、そうか」と思う感覚とは比べものになりません。
 

自分で掴み取った理解は、血肉になります。次に似た構造の英文に出会ったとき、「あのとき散々悩んだやつだ」と反応できる。

 

感情を伴った記憶は、そうでない記憶より圧倒的に強いのです。
 

逆に言えば、何の感情も湧かない勉強は、どれだけ時間をかけても効果が薄い。淡々とこなすだけの勉強は、脳に負荷がかかっていない証拠です。
 

お子さんが英文解釈の問題に取り組んでいるとき、こんな様子が見えたら、それは良い兆候です。

 

眉間にしわを寄せて唸っている。消しゴムで何度も書き直している。「あー、違うか」と独り言を言っている。一見すると苦しそうに見えますが、この苦しみの中でこそ、本物の力が育っています。
 

この話は英語に限りません。大学受験のあらゆる教科に通じることです。問題と本気で格闘し、悔しさや発見を繰り返す中でしか、受験を突破する力は身につきません。
 

勉強しているのに伸びないなら、足りないのは時間ではなく、没入です。

宇都宮市英語専門進学塾EX 塾長のブログ

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