テストが返ってくるたびに「もっとよく読めばできたのに」とお子さんが悔しがる。保護者の方も「なんでこんな問題を間違えるの」ともどかしく思う。いわゆる「うっかりミス」は、多くのご家庭で繰り返し話題になるテーマではないでしょうか。
しかし、この「うっかりミス」の正体について、少し立ち止まって考えていただきたいのです。
「うっかり」という言葉には、「本当はできるのに、たまたま注意が足りなかった」というニュアンスが含まれています。次は気をつければ大丈夫だろう、という楽観的な見通しがそこにはあります。
ですが、実際にはどうでしょうか。同じようなミスが、テストのたびに繰り返されていないでしょうか。
もし繰り返されているのであれば、それは「うっかり」ではありません。習慣です。
問題をよく読まずに間違えるお子さんの多くは、普段の演習の段階で、問題文をきちんと読まない解き方が身についてしまっています。
ワークや問題集を「終わらせること」が目的になり、一問一問の問題文を丁寧に読むことよりも、早くページを進めることを優先する。
その解き方を何十回、何百回と繰り返すうちに、「問題文を読み飛ばす」という行動が無意識に出てくるようになります。
これは脳の仕組みとして当然のことです。よいことも悪いことも、繰り返された行動は自動化されていきます。
毎日丁寧に問題を読んでいる子は、テスト本番でも自然と丁寧に読みます。毎日読み飛ばしている子は、テスト本番でも自然と読み飛ばします。
普段やっていることがそのまま出るだけなのです。
「普段は雑でも、テストの時だけ慎重にやればいい」——こう考えるお子さんは少なくありません。
しかし、これは実はほとんど不可能なことです。なぜなら、人間には「正しい答えを得ること」よりも「早く答えを出したい」という本能の方が強く働くからです。
しかも、制限時間と緊張感のあるテスト本番では、この本能は普段以上に強まります。理性で「慎重に」と思っても、身体に染みついた習慣の方が勝ってしまうのです。
だからこそ、普段の演習の段階から、問題文を正確に読み、何を問われているのかを把握してから解くという訓練を地道に積む必要があります。
「早く終わらせたい」という本能に逆らう行動を、意識的な反復によって身体に覚え込ませるのです。
これは、車の運転における安全確認の習慣に似ています。車線変更の前にミラーと目視で確認することは、教習所で繰り返し叩き込まれます。
しかし運転に慣れてくると、「たぶん大丈夫だろう」と確認を省きたくなる瞬間が必ず生じます。この衝動を抑えて毎回確認する習慣を持つ人だけが、咄嗟の場面でも正しい判断ができます。「危ない場面の時だけ気をつける」では間に合わないのです。
お子さんの「うっかりミス」を性格の問題として片づけず、日々の演習の「質」に目を向けていただければと思います。問題を何問解いたかではなく、一問一問をどう解いたか。そこにこそ、テストの点数を変える鍵があります。
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