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中高一貫校の英語、進度が速いだけでは足りない理由

· 塾長の指導観・雑感,英語勉強法

中高一貫校にお子さんを通わせている保護者の方の中には、「英語については学校がしっかり見てくれているはずだ」という安心感を持っていらっしゃる方も少なくないと思います。確かに中高一貫校の英語は、公立中学と比べて進度が速く、中学段階から高校内容に踏み込んでいくのが一般的です。先取りそのものに利点があるのは間違いありません。

しかし、進度が速いことと、英語力が確実に身につくことは、実は別の話です。この区別を見落とすと、「中高一貫だから大丈夫」という前提が、いつの間にか崩れていきます。
 

理由の一つは、進度の「速さ」が学校ごとに大きく異なるという事実です。

「中高一貫イコール激しい先取り」というイメージが先行しがちですが、実際には、首都圏の難関私立中高一貫と、地方の公立中高一貫とでは、進度にも演習量にも相当な開きがあります。地元の中高一貫校だから先取りが十分に進んでいるはず、というのは必ずしも正しい認識ではありません。
 

もう一つの、より本質的な理由があります。学校が高度な教材を配布したり、授業で扱ったりしても、生徒一人ひとりがそれをどこまで定着させるかは、まったく別の問題だということです。
 

たとえば、ある中高一貫校では、中学3年生の段階で大学受験向けの単語集が配布されるケースがあります。これ自体は意欲的な取り組みです。しかし、その単語集を授業内で繰り返しテストするわけでも、定期的な確認の機会が組み込まれているわけでもなく、配布後の運用は基本的に生徒の自主管理に委ねられている、という実態を耳にします。

配布はしたが、定着の仕組みまでは整っていない。結果、自律的に取り組める生徒だけが恩恵を受け、そうでない生徒は配られた教材を活かしきれないまま時間が過ぎていくことになります。
 

これは特定の学校の問題というよりも、多くの中高一貫校で起こりうる構造的な特徴です。
 

中高一貫校は、教材選定や進度設計の自由度が高い反面、その教材を生徒一人ひとりに定着させるところまで仕組み化されているとは限りません。「環境は提供される。しかし結果までは保証されない」という構造です。
 

さらに注意していただきたいのは、進度が速い分、つまずいた時の遅れも大きくなりやすいという点です。公立中学であれば、学校の進度に追いつけなくなっても、市販の問題集や塾で取り戻せる余地があります。

しかし中高一貫校で先取りが進んでいる場合、追いつくべきラインそのものが高い位置にあるため、放置すると差は広がる一方になります。
 

中高一貫校に通っているからといって、高度な英語力が自動的に保障されるわけではありません。むしろ、学校が用意してくれている恵まれた環境を最大限活かせるかどうかは、生徒本人の取り組み方と、それを支える外部の補完によって決まってきます。
 

保護者の方にお願いしたいのは、「中高一貫だから安心」ではなく、「中高一貫の環境をどう活かすか」という視点で英語学習を見ていただくことです。学校が提供する機会と、ご家庭や塾でのフォロー。この両輪が揃ったときに初めて、中高一貫校の英語学習が本来持っているポテンシャルが、実際の英語力として結実していきます。

宇都宮市英語専門進学塾EX 塾長のブログ

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