高校1年生や2年生が模試を受けて結果が返却されたとき、多くのご家庭では、その偏差値や判定を「今の学力が高いか低いか」の指標として受け止めます。もちろんそれは間違いではありません。
しかし、高1・高2の模試には、もう一つの、あまり意識されていない読み方があります。それは、模試が「到達度のメーター」でもある、という視点です。
どういうことか、順を追って説明します。
大学受験、とりわけ難関大学を目指す場合、入試本番までに身につけておくべき学習内容には、おおよその総量があります。
英語で言えば、覚えるべき語彙、仕上げるべき文法、読み込むべき長文の量が、ある程度決まっています。この総量を、入試日から逆算して各学年・各時期に配分していくと、「高2の秋にはこのあたりまで進んでいてほしい」という一つの目安が見えてきます。
高1・高2の模試は、その目安に対して、今の自分がどこまで来ているのかを映し出してくれるものでもあります。
つまり模試は、「あなたの学力はこのくらいです」と伝えているだけでなく、「難関大学に間に合わせるには、この時期にこのペースで進んでいる必要がありますが、あなたはどこまで到達していますか」という問いを、静かに投げかけているとも言えるのです。
この視点を持つと、模試の結果の受け止め方が変わってきます。
たとえば、学校の授業を真面目に聞き、定期試験の勉強もしっかりやっているのに、秋の模試で偏差値が思うように上がらない。これは、決して珍しいことではありません。
学校の授業と定期試験の対策は、大学受験に必要な総量を、必要なペースで届けてくれるように設計されているわけではないからです。学校の進度に合わせているだけでは、到達度のメーターは、なかなか望むところまで進んでいきません。
大切なのは、模試を「良かった・悪かった」で一喜一憂して終わらせないことです。そうではなく、「入試から逆算した理想のペースに対して、今の自分はどのくらいの位置にいるのか」という観点で読み解く。
もし遅れているのなら、それは、その遅れを取り戻すために学校の勉強とは別の上乗せの学習が必要だというサインだと受け止める。
この読み方ができるかどうかで、その後の動き方は大きく変わってきます。
高1・高2のうちは、入試までまだ時間があります。だからこそ、この時期の模試を「到達度のメーター」として正しく読み、必要であれば早めに軌道修正できることには、大きな意味があります。数字の高低だけに一喜一憂するのではなく、その数字が指し示している「進捗」の方に目を向けていただければと思います。
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