10月4日に、2026年度第2回の英検一次試験が行われました。準1級の問題を大学入試を見る目で読み直し、語数や問題数を数えてみました。英検協会が「大学中級程度」とする級です。
筆記は90分です。語彙18問、長文の空所補充6問、長文の内容一致7問の計31問がすべて4択で、そのあとに英文の要約と英作文(120〜150語)が1題ずつ続きます。リスニングの29問も全問4択です。
長文の題材は、2000年問題、「第六の味覚」、アメリカの食料支援制度、セントヘレナ島の歴史でした。科学、政策、歴史の論説文で、難関大の長文と同じ領域です。
目を引いたのは選択肢の長さです。内容一致の本文は2題で計約910語ですが、設問と選択肢の英文だけで約700語あり、本文の8割近くになります。正解は本文の言い換えです。セントヘレナ島が港として衰えた理由を問う設問では、本文の「蒸気船の登場」が、正解では「海運の技術的な進歩」と書き換えられていました。
誤りの選択肢には、本文にある年号や「スエズ運河」がそのまま入っています。本文と同じ単語を探す読み方では、誤りのほうに引き寄せられる作りです。
ここまでは難関大の入試と重なります。
ずれが出るのは、答案に何が残るかです。4択の答案に残るのは、選んだ番号だけです。どう読んでその番号を選んだのかは見えません。
国公立大の二次試験には、そこを見る問題があります。大阪大学が公表した2026年度英語の「出題の意図」には、指定された箇所を日本語にする問題について、「非制限用法の which や前置詞化した regarding,また facilitating, advanced などの分詞を含む文の構造を正確に理解しているかどうかが重要」とあります。
見られているのは、文の構造をどう取ったかという読みの過程です。
両者をつなぐのが、2024年度に加わった要約問題です。今回は約190語の記事を60〜70語にまとめる課題でした。
記事は、デジタル医療が広がる背景、推進派の根拠二つ、慎重派の根拠二つの3段落で、指示には「できるだけ自分の言葉で」とあります。骨組みをつかみ、言い換えを自分で作る問題で、準1級の中では、二次試験の説明問題にいちばん近い部分です。
この改定で、語彙問題は7問、内容一致は3問減りました。英検協会自身が、選ぶ問題を減らして作る問題を加えたわけです。
しかも英検のスコアは、問題数に関係なく各技能に均等に配分されます。31問のリーディングと2題のライティングが、同じ750点です。
以前にも書きましたが、今年4月に入塾した浪人生は、現役のころ長文を感覚で解いていて、文法は準動詞までしか学んでおらず、語彙にも穴がありました。
その生徒が、入塾から約2か月でS-CBTの準1級に合格しています。読み方を組み立て直せば、準1級は遠い級ではありません。
ただ、入試本番で問われるのはその先にある、答えの根拠を自分の言葉で示す力です。当塾で解答根拠を頻繁に聞くのも、番号からは見えない読みの過程を確かめるためです。
準1級は、難関大に必要な語彙や題材への慣れを測る物差しとしてよくできています。お子さんが受験したら、合否だけでなく成績表の技能別スコアも見てください。
番号を選べることと、英文を組み立てられることは、同じ英語力の別の面です。ライティングのスコアは、組み立てる力が今どこまで育っているかの目安になります。
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